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甘蜜トラップ
第4章 惰性と欲求




「ピアスは校則違反だよ」

「秘密、にして?」

「いちいち言わないよ俺は」


分かってる。
面倒なことを避けるだろうことも、なんとなく私に甘いことも。山中先生と付き合いがあったから仕方なくだよね。

双丘を両手で撫で回して、また熱い吐息を吐きかけるようにしながら胸の先を啄ばんだ。


「っぁ」


先ほどまで口元に感じていた舌のざらつきは、快感を与えるものとして赤く腫れた先端を弄ぶ。

そんなに感度は良い方じゃない。触れられても痛いくらいのときだってあるんだ。なのに、痛みを与えないソフトタッチと捏ねるように動く舌が私を煽る。

お腹の下の方がきゅうっとなった。
触ってほしいって思ってしまう。


「ゃ、」

「気持ちいい?」

「喋んな、いで」


思わず手で顔を覆ってしまうと、悪戯をするように甘噛みした。


「ひゃ、っ」

「可愛い」

「るさい……っ」

「さっきから脚動かして落ち着かないけど、どうしたの、橘」

「……ぅ」


つうっと下に伝っていく舌は、へその舌で停止した。

脚をクロスさせるようにぎゅっと強く閉ざしていたのに、柳瀬は両手で脚を開かせた。


「っ、ゃ」

「ふうん」

「な、なに……見ないで」

「やだ」


やだ!?
子供か!

悪戯っ子がなにか悪いことを考えたときのような顔で私を見下ろして、また小さく微笑む。私は最近柳瀬の笑顔にすごく裏を感じるようになった。


「どうしてほしい?」







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