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甘蜜トラップ
第2章 快楽と堕落
一糸纏わずな状態でバスルームに足先をつけると、床がひんやりとしていた。夏休みが終わったとはいえまだ暑い秋の始まり、それくらいの冷感は心地よかった。
シャワーを出して浴びていると突然後ろから抱きしめられた。肌が密着していることに少しどきりとしながら、少し顔を右に向けて瑞樹の様子を窺う。
「俺が洗ってやる」
「え、いいよ別に」
瑞樹がやりたいんだろうなあってことは分かってるけど、それでも身体を洗われるのとただ抱かれるのとは少し違う……。
私は恥じらいを覚えながらも泡立てられたそれを瑞樹が身体に乗せていくのを見ていた。滑らせるようにゆるりゆるりと伸ばして、時折悪戯をするように泡越しに後ろから胸に触れるのが、普段裏階段で触れられる感覚とは幾分も違う。
「待って、自分で洗う」
「俺にやらしてくれないんだー、触らしてくれないんだー、ケチ。俺の日頃のストレスを解消してくれるのは千歳のこの柔らかさだけなのに……泣いちゃうわー」
「もう、分かったから早く洗ってよ」
「お任せくださいな」
へへ、っと。
顔を見なくても分かる嬉しそうな瑞樹。なにがストレス解消なのか分からないけど思春期というこの年齢に対しての瑞樹の家庭環境はそれなりに鬱憤が溜まるだろうとは思っていた。
だから、お互い似たように求める。
優しく泡を行き渡らせた身体に瑞樹の指先が伸び、双丘を艶かしい手つきで撫で回す。ボディーソープの泡のせいか、滑り易すぎる手が時折先端に触れる。
「……くすぐったい」
「感じてるの間違い?」
「ん、」
「かわいい」
後ろから抱きしめられるような体勢のまま囁かれると、瑞樹の息遣いも全部耳に直に来る。
「こっちも洗わねえとな」
「ぁ、瑞樹……っ」
内腿を指が伝い這い上がっていく。滑り落ちる泡と瑞樹の指に与えられるもどかしさに下腹部がきゅうっとなる。