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甘蜜トラップ
第2章 快楽と堕落
お風呂でぐったりとしてしまって、暫く動けずにいたら汗をかいた身体をもう一度優しく洗い流してくれた。ナカも洗ったけど、安心ではない。お風呂ですべきではないと分かってるのに踏ん張れない駄目人間。アフターピルを服用した。
柳瀬の叱る言葉が頭に浮かぶ。
「なあ千歳、二回戦はないの?」
「ないー」
「ちぇ」
「ご飯、食べよ」
「あいよ。やっぱファミレス?」
「勿論」
私たちどっちも料理とか出来ないからいつも外食かコンビニ飯。家庭的要素がないとモテねえよって瑞樹によく言われるけど別に家庭的でモテたいとか思ったことないし、将来誰かと結婚するとかも考えられない。
お風呂を上がって瑞樹の家に置きっ放しで畳まれている洋服に着替える。制服じゃ夜はあんまり外をウロウロできないし。
「なあ」
「なに」
「なんかあった?」
「は? なに突然」
「いや、なんつうか……こう、前なら二回戦ノリノリだったじゃん? 的な。俺の勘違い?」
「勘違いだよそりゃ」
「ふうん、ならいいんだけど」
なにもない。
ただ気が乗らなかっただけなのに瑞樹は心配性だなあ、と思う。
ーー家を出て、瑞樹が運転するバイクに乗せてもらって近くのファミレスまで向かった。降りて店の中に入ってからも暫くはフルフェイスのヘルメットの重さでか首に違和感を覚えたまま、ちゃちゃっとメニューを決める。
瑞樹はメニュー表と睨めっこしながら悩んでいるようで、「はやくー」と急かすと眉根を寄せて「ちょっと待て俺は明日後悔しないものを食うんだ」と返された。
意味わかんないんだけど……なに食ったってどうせ消化されたら出るだけでしょ。
ようやくなにを頼むか決めたらしくボタンを押して店員を待つ。
「うるさいねファミレスって」
「まあそれが嫌なら来んなって感じだろ」
小さい子がわんわん泣き喚いたり、それを放って笑いながら会話をしているであろう主婦が数人。
「そんなもんかなあ……」
「俺は別にマナー守んなくていいとは言ってねえよ?」