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甘蜜トラップ
第2章 快楽と堕落
「いたよ、あそこのアイス美味しいから食べてみればよかったのに先生も。……あの女の子ってここの生徒だっけ?」
「そのことなんだけど」
「ん?」
「他言無用でお願いしたいんだよね、橘と浅木に」
「……瑞樹は知らないよ」
「じゃあ二人の秘密ってことで、どう」
あれ?
これ私がお願いされてんだよね?
なんで私が押されてる感じになってるの、意味分かんないんだけど。
目力? 目を合わせると負けそうだ。
「先生、二人だけの秘密ってなんかやらしー」
「橘」
名前を呼ぶだけなのに語気を強める柳瀬に少しムッとした。
ていうか誰かに言われて困るようなことしてたってことなら真っ黒じゃん、って思う。ねじ伏せられそうなこの感じ好きじゃない。
「あの子のこと教えてよ、どういう関係? 教えてくれたら黙っててあげてもいいよ」
「はあ、それは言えない。守秘義務だから」
なんの。
そういや前も思った。
階段の手すりに肘を乗せて腕を滑らせるようにくだる。数段おりた先には窓があって、ちょうどこの前先生と目が合ったあの場所。
窓の縁には腰を下ろせるくらいのスペースがあって、ちょんと飛び乗るように座った。
「先生」
「?」
「先生はさ、生徒と外で会ってたことを話されるのと私が誰かとここでまたセックスするのどっちが嫌?」
「……俺のことからかってる?」
「からかってない、本気で聞いてる。だって柳瀬は私に対してと他の生徒に対して接し方違うよね?」
「お前がここでまたそんなことする方が駄目だよ。当たり前なことを聞くな。ていうか呼び捨て禁止」
「柳瀬」
「こら」
「嘘つき」
嘘つきだ。
誰だって自分の潔白の方が大事。自分が可愛いから守りたくなるのは当たり前。それでいいと思ってる。腹の中真っ黒黒助なら尚更、そうすべきだと思う。