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第8章 いざ大舞台へ！

　支度部屋に帰るとカエさんがシーカさんの肩を揉んであげていた。

「あ、おかえり」
「はい。シーカさんどうかしたんですか？」

　ちょっとね、と出迎えてくれたカエさんが優しく微笑む。

　シーカさんの様子を見れば時折見せる自分勝手な不機嫌モード。不機嫌な理由はいつも自分音パフォーマンスへの不満足だ。

　シーカさんはどんなに機嫌が悪くなっても他のメンバーに八つ当たりをしたりはしないし、いつもちょっと素直じゃないシーカさんは慰めや労りの言葉を真っ直ぐに受け止められないことが多い。

　対処法は放っておくこと。それに限る。シーカさんは自分で立ち直る。
　
　だからシーカさん以外の四人は僕が戻って来たのを機に食事をしに出て行った。帰りに僕とシーカさんが食べるものも買ってきてくれるという。

「シーカのこと、よろしく」

　イズミさんが僕の肩越しにそっと囁いた。