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痴漢脳小説2 ~ガールズバンドに男子の僕が入っちゃいました~
第1章 『パンツァーカイル』
「う、うん…ごめん」
一言謝ってシーカさんの体温がすっと離れていく。ただし謝った相手はカエさんであって僕じゃない、というのがポイントだ。
「何でこんなに売れなくなっちゃったのかしらね。太一君、何か思い当たる?」
「え、あの…多少は」
「聞かせてくれる?」
カエさん促されてシーカさんも椅子に腰を落ち着ける。イズミさんも片付けの手を止めて僕に視線を向けている。
こうやって見られるのは得意じゃないけど、言わなきゃ解放してもらえない。
仕方なく僕は口を開く。
「その、ですね…新規のお客さんがいないんです」
「新規のお客さん?」
「はい…あの、ですからお客さんがいつも同じなんです」
『パンツァーカイル』には少数ながらも固定のファンがついている。正確な数は分からないがCDの売り上げにも貢献してくれたことは確かだ。
今日のライブも盛り上がった。曲の合間のコール&レスポンスもしっかりと決まった。
しかしそれは裏を返せばそれだけ『パンツァーカイル』のライブを知り尽くしている人しかいない、ということでもある。その人たちのてにはもうCDは行き渡っている。
メンバーはライブ後にそれぞれ顔馴染みと話しているが、それも馴染むほどに常連さんになってくれた人が多い、ということだ。
結果としてライブは盛り上がり終わった後も楽しくおしゃべりしてメンバーは満足かもしれないけど、バンドとしては発展性に乏しい。ここまで常連ばかりになりクローズドサークルのようになってしまえば余計にご新規さんは入りづらい。
さらに重要なのはこのCDが企画の最後のライブのチケットにもなっている、ということ。一人に二枚、三枚と売りさばくことは出来ない。
「…ということです」
僕はしどろもどろ、つっかえつっかえでそんな説明をした。
一言謝ってシーカさんの体温がすっと離れていく。ただし謝った相手はカエさんであって僕じゃない、というのがポイントだ。
「何でこんなに売れなくなっちゃったのかしらね。太一君、何か思い当たる?」
「え、あの…多少は」
「聞かせてくれる?」
カエさん促されてシーカさんも椅子に腰を落ち着ける。イズミさんも片付けの手を止めて僕に視線を向けている。
こうやって見られるのは得意じゃないけど、言わなきゃ解放してもらえない。
仕方なく僕は口を開く。
「その、ですね…新規のお客さんがいないんです」
「新規のお客さん?」
「はい…あの、ですからお客さんがいつも同じなんです」
『パンツァーカイル』には少数ながらも固定のファンがついている。正確な数は分からないがCDの売り上げにも貢献してくれたことは確かだ。
今日のライブも盛り上がった。曲の合間のコール&レスポンスもしっかりと決まった。
しかしそれは裏を返せばそれだけ『パンツァーカイル』のライブを知り尽くしている人しかいない、ということでもある。その人たちのてにはもうCDは行き渡っている。
メンバーはライブ後にそれぞれ顔馴染みと話しているが、それも馴染むほどに常連さんになってくれた人が多い、ということだ。
結果としてライブは盛り上がり終わった後も楽しくおしゃべりしてメンバーは満足かもしれないけど、バンドとしては発展性に乏しい。ここまで常連ばかりになりクローズドサークルのようになってしまえば余計にご新規さんは入りづらい。
さらに重要なのはこのCDが企画の最後のライブのチケットにもなっている、ということ。一人に二枚、三枚と売りさばくことは出来ない。
「…ということです」
僕はしどろもどろ、つっかえつっかえでそんな説明をした。