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痴漢脳小説2 ~ガールズバンドに男子の僕が入っちゃいました~
第1章 『パンツァーカイル』
「は、はい…っ」

 見事に裏返った声で僕は返事をする。だってお茶汲みをしていただけなんだよ、コピーを撮るくらいしか能がないんだよ、何でこのタイミングで名前を呼ばれるんだよ、嫌な予感しかしないよ。

「彼は簗瀬太一(やのせ たいち)君。僕の甥っ子でうちの事務所で働いてもらっている。CD千枚手売り企画は彼が全面的にサポートするよ」
「え…ええっ!?」

 僕の驚き声なんか聞こえなかったように叔父さんもとい社長はニコニコと言う。

 そんな僕に向かう不信で不審な四人の目。まあそれはそんな目も向けるだろう、何たって僕自身が驚きのあまり挙動不審になっているのだから。

「あ、あの…よろしくいお願いします」

 間の抜けた僕の挨拶は白々しい空気の中、見事に空を切ってどんよりと部屋の中に漂った。
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