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痴漢脳小説2 ~ガールズバンドに男子の僕が入っちゃいました~
第3章 夜の部屋に響くあの声
「あ…んっ、ふぅん…んっ!」

 いつも色っぽいカエさんだがオナニーをしている姿はお色気全開どころか、すでに官能の世界に深くはまり込んでしまっている。
 
 もぞもぞと布団が動き湿った音も大きくなる。口の中には男のものを求めるように深く咥え込まれた指。徐々に大きくなる喘ぎ声。

 僕も興奮しきってムスコ君が痛いくらいに大きくなっている。
 ドキドキする心臓の鼓動に合わせて手が震えそうになるのを、何とか堪えてカエさんをカメラに収め続ける。

 そうやって極力冷静を保とうとしている僕の『痴漢脳』に何かが引っ掛かる。

 カエさんのオナニーはまだ終わりそうもない。その間にちょっと考えてみよう。

 今のカエさんの表情、どこかで見たことがある。

 どこで?

 ステージの上だ。ベースを奏でる時のカエさんの表情は今と同じような、こみ上げる快感に打ち震えるような顔をしていた。
 僕はずっと人前で演奏していることに快感を感じているのだと思っていた。浴びせられる歓声、眩しく包み込むスポットライト。それらがカエさんを恍惚とさせているのだと。

 それがもし違うのだとしたら?

 体を震わすベースの重低音と自らに向けられる視線に快感を感じているとしたら?
 その快感が性的なものだとしたら?

 パンツまでびっしょりになると言っていたけど、もしかしたらそれは汗のせいだけじゃないのかもしれない。

 つまりカエさんは、ベースの音に、そして観客の視線に感じているんだ。
 そして、その体の火照りを冷ますために、性を解放するためにオナニーをしている。きっとライブの日は毎日。もしかしたらオナニーだけじゃなくて、誰かとセックスしたりする日もあったりするんだろう。

 僕のこの考えは外れていないはずだ。

 だって正解だという証明が、今僕の目の前で行われているのだから。
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