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痴漢脳小説2 ~ガールズバンドに男子の僕が入っちゃいました~
第4章 (エロ)プロデューサー始動!
「…ちょっと」

 いくぶん沈んだ声で出番を終えたシーカさんが僕を呼び止めた。

 今日はもう一回ステージがある。
 夕方の部を終えて客の出入りの間の休憩時間を挟み夜の部が始まる。

 気分の浮き沈みの激しいシーカさんは今までも演奏後に不機嫌になることがあった。
 だからと言ってメンバーに八つ当たりのようなことをしたことは一度もなく、そこはシーカさんの本当は優しい性格なのをよく表していて、横にいる僕としてはソワソワしながらも、そういうところは嫌いじゃない。むしろ好ましく思うくらい。

 そういう時、他のメンバーは基本的にはシーカさんに声を掛けないようにしている。不機嫌の理由が「自分のパフォーマンスに納得がいかない」というのがほとんどなので、自分で解決させるのが一番いいし、ちょっと素直じゃないシーカさんは人の慰めや励ましの言葉をすんなりと受け入れられないところがある。
 頭では理解してても感情が追い付かない、多分そんな感じなんだろう。

 だから今日も、他のメンバーはひと声かけただけでシーカさんを残して目をつけておいた喫茶店へと向かっていった。甘いものを食べてエネルギー補給して夜のステージに備えるためだ。

 去り際にみんな僕に「よろしくね」とこっそり囁いてくれたのが、何だか僕は嬉しかった。

 僕しかいなくなった『パンツァーカイル』の控室でシーカさんは顔にタオルをかけてパイプ椅子に腰を下ろしている。

 僕は黙ってそれを見ている。

 どういうふうに声を開けたらいいのか分からなかったし、それにちょっとシーカさん苦手だし。
 でも、みんなによろしくって言われてるしなぁ…

 何よりシーカさんの不調の原因は僕だしな。
 でも、お尻をはみ出させたシーカさんは確実に観客の男性の目を引いた。パフォーマンスがいまいちだったのにCDが売れたりホームページのお知らせを持って行ってくれた人がたくさんいた。

 だから僕の作戦は成功。

 なのだけど。

 …

 ……

 ………

 …………空気が重いよっ! 窒息しちゃう。

 何か言わなきゃ。でも何て?
 言葉は全く出てこないし、気の利いた行動も思いつかない。

 酸欠の金魚みたいに口をパクパクさせる僕にジロリ、とシーカさんが目を向けた。
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