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痴漢脳小説2 ~ガールズバンドに男子の僕が入っちゃいました~
第4章 (エロ)プロデューサー始動!
「…これでいいでしょ」

 少し怒ったような口調で言うシーカさんに、僕は大胆にも首を振った。いつもの僕なら考えられないほどの大胆で度胸のいる行動だ。
 
 性欲ってすごい。まして相手はたくさんの男をお尻とパフォーマンスで惹き付けている美少女だ。僕の興奮も半端じゃない。『痴漢脳』がオーバーヒートしてしまいそうなほど熱くなっている。

「…まだ、なの?」

 泣きそうな声で言われ、僕はほんの少しの罪悪感を覚える。

 彼女は、シーカさんは本当に『パンツァーカイル』を失くしたくないんだ。
 その理由までは僕は知らない。いつか僕を仲間と認めてくれたら話してくれるかもしれないけど、こんなことしてたら無理だろうな。

 シーカさんは他の誰よりもバンドを愛し、存続を願っている。
 そこに降りかかって来た「CD千枚手売り。失敗で解散」の企画。

 そしてバンドに派遣されてきた僕。

 その僕の『痴漢脳』から出たいやらしい企画ですら、バンドのためと全身で受け入れようとしている。

 僕はもしかして、自分の性欲のためにシーカさんの必死な心を弄んでいるだけなのではないだろうか?

 それは、僕の心に初めて生まれた感情だった。

 痴漢をしていた時には相手のことなんか考えなかった。相手が何を考え何を思うかなんて、想像したこともなかった。
 嫌がってるんだろうな、とは漠然と思っていたけど、その反応すらが愉快だった。

 …こんな気持ちになったことはない。

 でも、それでももう、ここまで来ては僕の性欲も抑えきれない。

 だから、僕はここに誓う。

 『パンツァーカイル』のために僕の持てるすべてを使う、と。

 芸も学も何もないけど。僕には『痴漢脳』しかないけど。

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