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蝶が舞う時
第19章 運命
妊娠4か月目に入ると、菜摘のお腹が少しずつ大きくなってきた。
それと並行して菜摘につわりの症状が出始めた。
ある日、大学から帰宅して夕食のビーフシチューを作っていたら、突然トイレに駆け込んだ。
俺は心配になってトイレのドア越しに声を掛けた。
「菜摘、大丈夫か?」
しばらくして
「おじさん…ダメ。シチュー作れない…匂いが…」
「菜摘、心配するな。おじさんが作るから…」
トイレのドアが開き、真っ青な顔をした菜摘が出てきた。
「菜摘、ベッドルームで横になるといい…」
「ごめんね…そうする…」
菜摘がベッドルームに入ると、俺はキッチンでシチューを作りあげる。
とりあえず、シチューが出来たので、洗面所でタオルを濡らし、ベッドルームに向かった。
菜摘は苦しそうに目を閉じて寝ていた。
菜摘の額に濡らしたタオルを置き、髪を撫でる。
「おじさん…先に食べてて…菜摘は食べれない…」
「昼間は大学で何か食べたのか?」
「気持ち悪かったので、オレンジジュースだけ…」
「明日、病院に連れて行くから…」
「何か持って来ようか?」
「冷たいお茶ならなんとか…」
「わかった…」
次の日、菜摘を病院に連れて行った。
産科では、つわりは病気としては位置づけず、単なる妊娠の生理現象の一つと捉えている。
なので、よほど嘔吐で脱水症状にならない限りは、入院もさせない。
とりあえず、吐き気止めの薬が処方された。
あと一月経過すれば自然と治まるらしい。
菜摘は耐えるしかなかった。
当分の間、食事もあっさりとしたメニューに変更し、俺がキッチンに立った。
ある夜、菜摘とベッドに寝ていたら突然菜摘が
「おじさん…」
「どうした、具合が悪いのか?」
「お腹を触って…」
俺は大分大きくなった菜摘のお腹に手を添えた。
「ああ?」
「子供が動いてるでしょう…」
「ああ…すごいな。お腹を蹴っている。」
「早く出たいのかなぁ…?」
「まだ早い。やっと5か月に入ったばかりだ…」
「おじさん…名前決まった?」
「まだ考えているけど…菜摘の菜の漢字を残したい。」
「菜?」
「彩菜、桂菜、琴菜、美菜、奈菜、真菜とか…」
「おじさん…桂菜と奈菜は?」
「東条桂菜、東条奈菜か…」
「菜摘が良ければいいよ。」
お前達の名前が決まった…
それと並行して菜摘につわりの症状が出始めた。
ある日、大学から帰宅して夕食のビーフシチューを作っていたら、突然トイレに駆け込んだ。
俺は心配になってトイレのドア越しに声を掛けた。
「菜摘、大丈夫か?」
しばらくして
「おじさん…ダメ。シチュー作れない…匂いが…」
「菜摘、心配するな。おじさんが作るから…」
トイレのドアが開き、真っ青な顔をした菜摘が出てきた。
「菜摘、ベッドルームで横になるといい…」
「ごめんね…そうする…」
菜摘がベッドルームに入ると、俺はキッチンでシチューを作りあげる。
とりあえず、シチューが出来たので、洗面所でタオルを濡らし、ベッドルームに向かった。
菜摘は苦しそうに目を閉じて寝ていた。
菜摘の額に濡らしたタオルを置き、髪を撫でる。
「おじさん…先に食べてて…菜摘は食べれない…」
「昼間は大学で何か食べたのか?」
「気持ち悪かったので、オレンジジュースだけ…」
「明日、病院に連れて行くから…」
「何か持って来ようか?」
「冷たいお茶ならなんとか…」
「わかった…」
次の日、菜摘を病院に連れて行った。
産科では、つわりは病気としては位置づけず、単なる妊娠の生理現象の一つと捉えている。
なので、よほど嘔吐で脱水症状にならない限りは、入院もさせない。
とりあえず、吐き気止めの薬が処方された。
あと一月経過すれば自然と治まるらしい。
菜摘は耐えるしかなかった。
当分の間、食事もあっさりとしたメニューに変更し、俺がキッチンに立った。
ある夜、菜摘とベッドに寝ていたら突然菜摘が
「おじさん…」
「どうした、具合が悪いのか?」
「お腹を触って…」
俺は大分大きくなった菜摘のお腹に手を添えた。
「ああ?」
「子供が動いてるでしょう…」
「ああ…すごいな。お腹を蹴っている。」
「早く出たいのかなぁ…?」
「まだ早い。やっと5か月に入ったばかりだ…」
「おじさん…名前決まった?」
「まだ考えているけど…菜摘の菜の漢字を残したい。」
「菜?」
「彩菜、桂菜、琴菜、美菜、奈菜、真菜とか…」
「おじさん…桂菜と奈菜は?」
「東条桂菜、東条奈菜か…」
「菜摘が良ければいいよ。」
お前達の名前が決まった…