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蝶が舞う時
第19章 運命
あれから月日が過ぎて菜摘は8か月目に入った。
菜摘のお腹は二人の子供を育んでいるので、かなり大きくなった。
大学へはマタニティー服で通学しているので、大分注目されているみたいだった。
9か月に入ったら休学に入るため、事前に届けは提出してある。
ベビー用品や服、ベビーベッドなどは、菜摘の体調の良い時に順次買い揃えていった。
準備は一応出来ていた。
ある日の朝、車で菜摘を大学まで送ってからマンションに戻ろうとした時、俺は何か違和感を感じた。
突然、冷や汗が出て吐き気がし、背中の左側の腰の上辺りが射し込む様に痛い。
俺は車を道路の脇に止め、しばらく深呼吸を繰り返した。
こんな経験は初めてだった。
吐き気と背中の痛みが和らいだので、車を始動させてマンションに戻った。
マンションに帰り着くとしばらくベッドに横になった。
窓際には菜摘と買い揃えた2台のベビーベッドが並んで置かれ、それぞれにメリーが取り付けてある。
もう直ぐだな…
そう思った矢先にまた、身体の違和感を感じた。
俺はなんとか身体を起こし、車で内科のクリニックに向かった。
受付で保険証を出し、問診票に記入を済ませて待っていると
「東条さん、診察室へお越しください。」
俺は診察室に入った。
俺とほぼ同年代の医師が待っていた。
「こんにちは、どうされましたか?」
「実は…」
俺は今朝起こった症状を忠実に医師に伝えた。
「なるほど…」
「上半身の服を脱いで、こちらのベッドにうつ伏せになって下さい。」
医師は触診を始めた。
「痛みはこの辺りですか?」
医師がある場所を押すと、射し込む様に痛い。
「はい、その辺です。」
「じゃ、仰向けになって下さい。」
俺は仰向けになると、医師がみぞおちからお臍にかけて触診をする。
「この辺りに痛みがありますか?」
「いいえ、ありません。」
「分かりました、服を着て結構ですよ。」
俺は服を着て椅子に座る。
「検査をしたいと思います。今から血液検査とエコー、それとCTの撮影をします。」
俺は診察室を出ると検査を受けた。
検査が終わり、しばらく待合室で待っていると
「東条さん、診察室にどうぞ。」
診察室に入ると医師はCTの画像を見ていた。
「東条さん、すい臓の腫瘍、癌が疑われます…」
「えっ…」
菜摘のお腹は二人の子供を育んでいるので、かなり大きくなった。
大学へはマタニティー服で通学しているので、大分注目されているみたいだった。
9か月に入ったら休学に入るため、事前に届けは提出してある。
ベビー用品や服、ベビーベッドなどは、菜摘の体調の良い時に順次買い揃えていった。
準備は一応出来ていた。
ある日の朝、車で菜摘を大学まで送ってからマンションに戻ろうとした時、俺は何か違和感を感じた。
突然、冷や汗が出て吐き気がし、背中の左側の腰の上辺りが射し込む様に痛い。
俺は車を道路の脇に止め、しばらく深呼吸を繰り返した。
こんな経験は初めてだった。
吐き気と背中の痛みが和らいだので、車を始動させてマンションに戻った。
マンションに帰り着くとしばらくベッドに横になった。
窓際には菜摘と買い揃えた2台のベビーベッドが並んで置かれ、それぞれにメリーが取り付けてある。
もう直ぐだな…
そう思った矢先にまた、身体の違和感を感じた。
俺はなんとか身体を起こし、車で内科のクリニックに向かった。
受付で保険証を出し、問診票に記入を済ませて待っていると
「東条さん、診察室へお越しください。」
俺は診察室に入った。
俺とほぼ同年代の医師が待っていた。
「こんにちは、どうされましたか?」
「実は…」
俺は今朝起こった症状を忠実に医師に伝えた。
「なるほど…」
「上半身の服を脱いで、こちらのベッドにうつ伏せになって下さい。」
医師は触診を始めた。
「痛みはこの辺りですか?」
医師がある場所を押すと、射し込む様に痛い。
「はい、その辺です。」
「じゃ、仰向けになって下さい。」
俺は仰向けになると、医師がみぞおちからお臍にかけて触診をする。
「この辺りに痛みがありますか?」
「いいえ、ありません。」
「分かりました、服を着て結構ですよ。」
俺は服を着て椅子に座る。
「検査をしたいと思います。今から血液検査とエコー、それとCTの撮影をします。」
俺は診察室を出ると検査を受けた。
検査が終わり、しばらく待合室で待っていると
「東条さん、診察室にどうぞ。」
診察室に入ると医師はCTの画像を見ていた。
「東条さん、すい臓の腫瘍、癌が疑われます…」
「えっ…」