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蝶が舞う時
第20章 究極の依頼
菜摘は既に病衣を着せられ下着を外されていた。

担当医は菜摘の股間に入り触診をした。

「子宮口がかなり開いたので、分娩室に移動しましょう。」

菜摘は二人の看護師に支えられて隣の分娩室に入る。

俺は看護師に連れられ白衣を着てから分娩室に入る。

菜摘は少し怯えていた。

俺は菜摘の枕元の横に立ち、菜摘の手を握った。

「おじさん…痛い、痛いよ…」

「菜摘、大丈夫、大丈夫だ…」

分娩室のドアが開き担当医師が入ってきた。

担当医師は菜摘の股間に立ち、

「さあ、東条さん、頑張りましょう。」

「私が息んで! と言ったら息んで下さい。」

「お、おじさん…怖いよ…」

「おじさんがここにいる。大丈夫だよ。」

「うっ、いたい…いた-」

「はい、東条さん、息んで!」

「うっ、うっ、うっ」

「菜摘、息むんだ!」

「おじさん、わかってる! うっ、うっ」

菜摘の顔が真っ赤になって、額から汗が流れる。

「はい、休んで…」

菜摘はベッドに倒れ込む。

「はあはあ…いた…痛い…」

「はい、息んで!」

「うっ、うっ、うっ」

菜摘の手の爪が俺の手にくい込み、血が滲んできた。

「菜摘、頑張って!」

「はい、頭が出てきたよ。さあ、息んで!」

「うっ、うっ、ああ、」

担当医師が両手で一人目をひっばりだした。

「東条さん、一人目の誕生ですよ!」

担当医師は、鳴き声をあげる小さな赤ちゃんを持ち上げた。

「ご主人、名前は?」

「桂菜…です…」

「はい、桂菜ちゃんを綺麗にして。」

看護師に桂菜を渡すと看護師はベビーベッドに運び、体重を計って体を拭く。

「東条桂菜ちゃんの体重は2080gです。」

「さあ、東条さん、もう一度。」

「はい、息んで!」

菜摘はふらふらになりながら息む。

「うっ、うっ、うっ、はあはあ…」

「はい、頭が出てきた、さあ、息むのよ。」

「うっ、うっ、うっ、はあはあ」

担当医師は二人目をひっばりだした。

産声が響き渡る。

「はい、二人目誕生ですよ。名前は?」

「は、はい、奈菜です…」

看護師は奈菜の体重を計り、

「東条奈菜ちゃんの体重は2150gです。」

担当医師は菜摘に近寄り、

「東条さん、頑張りましたね。二人とも早産で体重が少し低いけど大丈夫ですよ。」

菜摘は泣きながら頷く。


菜摘、頑張ったな…
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