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蝶が舞う時
第9章 芽生
昼前に菜摘からメールが届き、俺は迎えの場所を伝えてから車を出した。


迎えの場所には既に菜摘と美咲が立っていた。

「お待たせ。」

二人は買い物袋を携えて車内に乗り込む。

「おじさん、早かったね!」

「欲しい商品はあった?」

「美咲ちゃんの欲しいのは無かったけど、揃いのインナーシャツを買った。それと夕食の食品も。」

「おじさん、今晩はすき焼きだよ。すき焼きだと二日分出来て節約にもなるから…」

「それは構わないけど、お金は足りた?」

「大丈夫、この前おじさんから預かった分があったから。」

「お昼は何を食べたい?」

「菜摘は何でも、美咲ちゃんは?」

「私も何でもいいです。」

「じゃ、菜摘、この前のファミレスどう?」

「わぁー おじさんと出会った所。ありありのあり。」

「はいはい、美咲ちゃんもいいかな?」

「はい、いいです。」


相変わらず、昼時のファミレスは混んでいた。

三人とも日替りランチを食べてから、早々に店を出た。

マンションに帰り着いたら、午後2時を過ぎていた。

菜摘と美咲は買い物袋の食材を収納した後、揃いのインナーを持って寝室に向かう。

しばらくして、菜摘と美咲が出て来た。

今までの下のトレーナーに上は七分袖のインナーシャツ。

「おじさん、これ今日買ったシャツ。今のトレーナーの上が最近暑いから。」

「いいんだけど、何で薄紫と薄黄色なんだ?」

「だって、おじさんの好きな変態色だから。」

「あのなぁ~菜摘は良いとして、美咲ちゃんが変に思うだろう。」

「あの…私この色、気に入ってます。」

「ほら!おじさん、おじさんの変態がまた移った。」

「はい、はい、もうおじさんは何も言いません。」

美咲は笑いながら、俺と菜摘の会話に聞き入っている。

俺は煙草を吸い終えると、リビングのソファーに移った。

菜摘と美咲は互いのサイズを確認し合っている。

TVのスイッチを入れるとヨーロッパあたりの旅番組が映り始めた。

しばらくして、二人は俺の両サイドに座ってきた。

左に座った菜摘は俺の左肩に頭をもたげて腕に巻きつく。

右に座った美咲は少し距離を置いていたが、徐々に右肩に頭をもたげてきた。

俺は美咲の腰に手を回し、軽く体を引き寄せた。

二人の薄手のインナーの胸元は、透けたブラジャーが盛り上がっていた。






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