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《愛撫の先に…②》
第1章 あたし磨き
『!?、ひぇっ…起きて?――ない…』
口元に手を近づけるとかすかに寝息が聞こえ菜々美は、掴まれた指をそっとほどき台所へ移動する。
味噌汁・鮭の塩焼き。
『卵焼き…野菜サラダも…やだっ、もう5時30分』
6時には結城さん起こさなきゃ。
あーっ今日可燃ごみの日だわ。
ううんまずは結城さんの朝食よ、卵焼きに野菜サラダっっ!
菜々美は卵を割りかき混ぜるが味付けをしていない事に気付き白だしの瓶を手にする。
『濃縮タイプ…卵2つに対して………陽子助けてぇ』時間10分過ぎていた。
食べて洗ってごみ出して、あたし自身の支度もまだ!
『完全に遅刻だわっ』
計量カップに白だしを入れようとしたが結城の好みがわからず手が止まる。
『だし入りが苦手だったら?』
あたし結城さんの好みがわからない――…
『あっ味噌汁が煮たってる…』
慌てて火を止めるがふつふつと煮たった味噌汁は美味しくなさそうで菜々美は項垂れた。
せっかく昨夜スーパーに寄ったのにこんな朝食じゃ、食欲も落ちるわ。
『こんな事ならいつも真面目に朝食つくっていれば良かった…』
肩に置かれた手―――…
菜々美は目を見開き再びゆっくり振り向いた。
『結城さん…』
『鍋を見ながら考え事?』
『6時?結城さん間に合わなくてごめんなさい…』
先ほど触りたくて触れなかった彼の髪、
無造作にかきあげながら苦笑する仕草はとても魅力的で見とれちゃいそうな。
『菜々美?』
『見とれてる場合じゃなくて…あのあたしご飯が…』
『頑張ったんならそれでいい、それで構わないでしょう…
朝から泣きそうな顔をしないで笑いなさい』
結城さん…
笑いなさい、なんて間に合わない朝食を許してくれるの?
口元に手を近づけるとかすかに寝息が聞こえ菜々美は、掴まれた指をそっとほどき台所へ移動する。
味噌汁・鮭の塩焼き。
『卵焼き…野菜サラダも…やだっ、もう5時30分』
6時には結城さん起こさなきゃ。
あーっ今日可燃ごみの日だわ。
ううんまずは結城さんの朝食よ、卵焼きに野菜サラダっっ!
菜々美は卵を割りかき混ぜるが味付けをしていない事に気付き白だしの瓶を手にする。
『濃縮タイプ…卵2つに対して………陽子助けてぇ』時間10分過ぎていた。
食べて洗ってごみ出して、あたし自身の支度もまだ!
『完全に遅刻だわっ』
計量カップに白だしを入れようとしたが結城の好みがわからず手が止まる。
『だし入りが苦手だったら?』
あたし結城さんの好みがわからない――…
『あっ味噌汁が煮たってる…』
慌てて火を止めるがふつふつと煮たった味噌汁は美味しくなさそうで菜々美は項垂れた。
せっかく昨夜スーパーに寄ったのにこんな朝食じゃ、食欲も落ちるわ。
『こんな事ならいつも真面目に朝食つくっていれば良かった…』
肩に置かれた手―――…
菜々美は目を見開き再びゆっくり振り向いた。
『結城さん…』
『鍋を見ながら考え事?』
『6時?結城さん間に合わなくてごめんなさい…』
先ほど触りたくて触れなかった彼の髪、
無造作にかきあげながら苦笑する仕草はとても魅力的で見とれちゃいそうな。
『菜々美?』
『見とれてる場合じゃなくて…あのあたしご飯が…』
『頑張ったんならそれでいい、それで構わないでしょう…
朝から泣きそうな顔をしないで笑いなさい』
結城さん…
笑いなさい、なんて間に合わない朝食を許してくれるの?