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第4章 お年玉
「さぁさぁ、お雑煮煮えてるから、早く食べましょ。」

鶴の一声ならぬ桜子の一声。

「誠治さんと誠大は? お餅2個でいいの?」

「あ、うん。」「うん!」

同時に頷いた俺と誠大を見て、桜子がぷっと吹き出した。

「そっくり。」

ふふふ、と笑う桜子に、誠大が口をへの字に曲げて不貞腐れた。

「どーせ糸目ですよ。父さんがもっと男前だったら俺ももっとモテたのにさ。」

「誠大…本人の前では言うな…あのな、男は顔じゃないんだよ、中身だ。」

「それさぁ…男前が言っても嫌味だけどブサイクが言うとただの負け惜しみなんだよなぁ…」

「誠大、その辺になさいな。お父さんはカッコいいのよ。結婚した私が言うんだから間違いないの。貴方もお父さんから誠の字を貰ってるんだから、誠実な人になるのよ?そうしたらきっと良い人とご縁があるから。」

「そうなんだよな、父さんなんだかんだ言って2回も結婚してるもんね。しかも結構美人と。」

「ひと言多いよ。」

「ママが美人なのは本当のことじゃない。私の友達もみんな言うよ、満希ちゃんのママ綺麗って。」
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