この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第4章 底にあるもの
 少女はやはり腑に落ちなかったが、昨日見た──多分、夢を思い出して口をつぐんだ。とても淫靡な夢。それに禊は絶対に自分に不利益になることは言わないだろうと、大人しく衣を着せられることにした。
「一ノ兄、紐や帯もうちょっと可愛く結んでやれよ。そういうとこはホント堅物だよなあ」
「……奥社にいる間くらいは形式張れ」
「可愛くできるの?」
「できません」
「童……私、何か心が痛い」
「もう充分可愛いって」
「……一ノ弟」
そうして姿見の中の少女はみるみるその形を変えていく。
 自然のままの生成(きなり)の衣と裳をふわりと揺らし、腹の上で結ばれる浅葱色の帯。そして斜(はす)に襷を掛けられ、同じ草木模様で輪になっていないものが一本、裳を飾るように帯と共に垂らされた。用途を追及するものではなく、見映えのためのものだろうか。その最後に、耳飾りと首飾りがとりわけ丁寧に付けられた。
 「──終わり?」
「はい。特別な時は衣を増やしたり変えたり、髪結いや冠の準備も致しますが」
「今は必要ないんだね」
少女は一度くるりと回り、自分の姿を確認する。禊に感想を求めることは不毛だと既に学んでいたので、童にそれを問えば満面の笑みで似合うと太鼓判を押してくれた。
/298ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ