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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第23章 天地開闢
ああ、俺も。彦や伍名のようになるんだなと思ったら、胸の奥で大輪も大輪の花の裳裾が広がったような心地になった。二人が羨ましいとすら思えた。ずっとずっと、遥か昔からそれを知っていたなんて。
けれど今この瞬間、花笑の際にある至上の喜びには何も及ばない。つまりもう何も、疑うべくもない。
──これから先は、神依と一緒に生きていけるのだ。一人で治め得ぬものは二人で。二人で叶わぬのなら、三人で。今の自分達ならば、そうしてより良く歩んでいける。共に、他人を拒むようなことももう無い。孤独ではない。内にこもって築き上げてきた強固な砦は崩れてしまったけれども……その崩れた分だけ見えた景色は、優しいものだった。だから──
『……迷いは、ないみたいね。あなたにとっても……黄泉路の旅は、良き時、良き習いになりましたか』
「……はい」
それだけを問われたとき素直に頷けば、女神は何かとてもおもしろいものを見たかのように神の面(おもて)を崩して笑った。それが子供の初恋を聞いた母親の心地だとは、日嗣は夢にも思わなかったが──楽しそうなことだけは、率直に感じ取れた。
『……私達の叶えられなかった願いを継ぎ、成してくれてありがとう』
「女神──」
けれど今この瞬間、花笑の際にある至上の喜びには何も及ばない。つまりもう何も、疑うべくもない。
──これから先は、神依と一緒に生きていけるのだ。一人で治め得ぬものは二人で。二人で叶わぬのなら、三人で。今の自分達ならば、そうしてより良く歩んでいける。共に、他人を拒むようなことももう無い。孤独ではない。内にこもって築き上げてきた強固な砦は崩れてしまったけれども……その崩れた分だけ見えた景色は、優しいものだった。だから──
『……迷いは、ないみたいね。あなたにとっても……黄泉路の旅は、良き時、良き習いになりましたか』
「……はい」
それだけを問われたとき素直に頷けば、女神は何かとてもおもしろいものを見たかのように神の面(おもて)を崩して笑った。それが子供の初恋を聞いた母親の心地だとは、日嗣は夢にも思わなかったが──楽しそうなことだけは、率直に感じ取れた。
『……私達の叶えられなかった願いを継ぎ、成してくれてありがとう』
「女神──」

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