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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第23章 天地開闢
『あなた達の行く末も、今一度私が廻(めぐ)らせましょう。そしてそれが最後の分かれ道。この恋路の末を如何に結ぶか──二人で、お選びなさい』
言葉と共にその姿が揺らぎ、薄れていく。咄嗟に神依に会わせてやらなければと思い眠る少女に手を伸ばしたが、揺り起こす間も無く女神の目がそれを拒んだ。
 それはもう必要ない。母という生き物はいずれ、必ず一時は子に捨てられるものなのだと……潤みを帯びた眼差しが優しく語る。娘なら尚更──けれどもそれは、喜びでもあるのだから。これから大人になり、母となるであろう少女もいずれ分かってくれるはずだと、女神は穏やかな笑みを浮かべた。
 これは寂しい別れではない。寂しくなんてない。また、元に戻るだけ。
 生まれたてでまだ何も知らない……純朴で、だけど本当はちょっぴり意地悪で、おませで。泣き虫のくせに頑張り屋だった、ありふれた……だけれど、たった一人の女の子の“お母さん”としてはもう居られないけれど。
 あらゆる命を産み出した母、偉大なる生命の神の一柱として、またあの儚く美しい世界を護っていくのだから。
 だから。
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