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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第4章 底にあるもの
 ──小さな水霊と、国津神と天津神。あの時の彼らには、きっとそんな心の隔たりは無かった。
 ただ誰かが誰かを想うだけで、消え去ってしまうものもあるのだ……。
 「……一緒でも、駄目じゃないよね?」
だから半歩先を行く禊の袖を引きそんなふうに問えば、禊はそれを拒むでもなく淡々と説く。
「駄目ではありませんが、良く思わない者もいないとは限りません。けれども童の言う通り、名も無き神々もまた神であることは事実です。そして巫女は神に仕える者。貴女が巫女としてどうありたいか、それは貴女様ご自身がお決めになることですから」
「ん……何だか難しそう」
「何も急ぐことはありません。私達には人間の何倍もの時があるのですから。そして貴女がどのような道を選ぼうとも、私と童がお供致しますので。──さあ、もうすぐ最奥になりますのでお静かに。そちらで洞主様がお待ちですよ」
「洞主様が? ……」
禊に応えるのと同時に、社の方にあるような綱と紙の飾りが頭上に見えて少女は口をつぐんだ。
 相変わらず正式な名称は知らなかったが、何か世界を分けるものだというのは理解できる。
 そしてそれをくぐり抜けた先──
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