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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第23章 天地開闢
(……あの子は……どこに流れ着いたんだろう)
葦で編まれた小舟に揺られて、お母さんとお父さんに見送られて──男の子だったのか女の子だったのか、それすら見極められなかった古の赤子に想いを馳せる。
一方細々(こまごま)と島を見回り終えた日嗣は、草の上から消えた神依を水際に見付けると、苦く笑いそちらへと向かった。
一本の木をくり貫いて造られた丸木舟(まるきぶね)。どれだけの年輪を重ねた木か、身幅も安心できるくらいにはあったが、万が一にも不可解な力が働き流されでもしたら──。
しかし乗り込んだ本人はこれっぽっちもそんなことは疑わないのだろう。至って無防備に、けれどもここに招かれた意味も理解して、そこを選んでいるようだった。
「漕いでやろうか」
「日嗣様──」
結構な時間を費やして戻ってきた男に、神依はぱっと破顔する。退屈ではあったが一人で社の中に入るのもやはり“違う”気がして、さりとて島を探索するのもまだ受け入れられずに時間をもてあましていた。
場所を譲るように隅に寄れば、日嗣もまた進まない舟に乗り込む。漕ぐための櫂(かい)も一本繋がれていたが、それには触れなかった。
「漁の道具も見付けた」
「そうですか……」
葦で編まれた小舟に揺られて、お母さんとお父さんに見送られて──男の子だったのか女の子だったのか、それすら見極められなかった古の赤子に想いを馳せる。
一方細々(こまごま)と島を見回り終えた日嗣は、草の上から消えた神依を水際に見付けると、苦く笑いそちらへと向かった。
一本の木をくり貫いて造られた丸木舟(まるきぶね)。どれだけの年輪を重ねた木か、身幅も安心できるくらいにはあったが、万が一にも不可解な力が働き流されでもしたら──。
しかし乗り込んだ本人はこれっぽっちもそんなことは疑わないのだろう。至って無防備に、けれどもここに招かれた意味も理解して、そこを選んでいるようだった。
「漕いでやろうか」
「日嗣様──」
結構な時間を費やして戻ってきた男に、神依はぱっと破顔する。退屈ではあったが一人で社の中に入るのもやはり“違う”気がして、さりとて島を探索するのもまだ受け入れられずに時間をもてあましていた。
場所を譲るように隅に寄れば、日嗣もまた進まない舟に乗り込む。漕ぐための櫂(かい)も一本繋がれていたが、それには触れなかった。
「漁の道具も見付けた」
「そうですか……」

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