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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第23章 天地開闢
 季節の判らぬ空気の中、交互に絡められた指にはこもった熱が行き交い、繋がっているのだと実感できる。
 そしてその間にも男の唇は肩や鎖骨を渡り、肌に赤い印を散らしていく。
 冬成る花や実が赤いのは、きっと白雪を犯す悦びを知っているからだ。今の日嗣にはそうとしか思えてならず、その淫楽を堪能し尽くそうと、自分だけに許された新雪の肌に次々むしゃぶりついた。
 波の音も薄く、皮膚を強く吸われる音だけが水気を何度も弾けさせて──それが神依にはやけになまめかしく聞こえる。その瞬間的な痛みと後に残る痺れは、直接的な快感には繋がらない。なのに体はそこからじんじんと熱くなって、女の部分を疼かせてしまう。すぐ近くにあって一切触れられない胸の先端も固く上擦って、必死になって衣を押し上げていた。そうやって存在を主張して、男をねだる。
 本当に、花と同じだ。
 女として美しくない自分は、決してそんなものにはなれないと思っていた。けれど今は体のあちこちが蕊に繋がる花弁のようで、それが色づく頃には、中心にあるその場所に蜜を滴らせてしまう。そして風や水の悪戯に、純を装いしなを作って、蜂や手折ってくれる異性を呼ぶ。したたかな野花。
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