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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第24章 稲依姫
「今にきっと、すげえ可愛い女の子生んでくれるからな。その時は協力するから、今度はお前が孫から奪ってやれよ」
【2】
朝の冷涼な空気を残す水の森は、今日も常通り豊かで清らかな調べを水音で織り、語らう者達の憩いの場となっていた。
見目には季節は混ざれども、色付く葉や実のなる木が緑に栄え、ここでも豊穣の一端が窺える。
その一角で、偶然出会った巫女達と朝の挨拶を長々と交わしていた伍名は、茂みの向こうから聞こえてきた賑やかな声にようやくお喋りを止め、甘い言葉と共にやんわりと女達を下がらせた。
道なき道で会う縁。巫女達の背を見送れば、代わりに眼帯で顔の半分を覆う幼子と、父か兄のようにその手を引く青年が姿を見せる。
「──おや、御令孫。今日も賑やかで何よりのご様子──童も、おはよう」
「おはようございます」
「……お前も相変わらずだな、伍名」
木々の向こうからこちらを見て笑い合う巫女達を見つけた日嗣は、呆れた目で伍名を見遣る。この恋多き神は、口説き文句だけはいつ如何なる時も尽きないらしい。
だがしかし、伍名は伍名で人目を忍んでは睦み合う、若き神と巫女の話を山ほどに仕入れてあった。
【2】
朝の冷涼な空気を残す水の森は、今日も常通り豊かで清らかな調べを水音で織り、語らう者達の憩いの場となっていた。
見目には季節は混ざれども、色付く葉や実のなる木が緑に栄え、ここでも豊穣の一端が窺える。
その一角で、偶然出会った巫女達と朝の挨拶を長々と交わしていた伍名は、茂みの向こうから聞こえてきた賑やかな声にようやくお喋りを止め、甘い言葉と共にやんわりと女達を下がらせた。
道なき道で会う縁。巫女達の背を見送れば、代わりに眼帯で顔の半分を覆う幼子と、父か兄のようにその手を引く青年が姿を見せる。
「──おや、御令孫。今日も賑やかで何よりのご様子──童も、おはよう」
「おはようございます」
「……お前も相変わらずだな、伍名」
木々の向こうからこちらを見て笑い合う巫女達を見つけた日嗣は、呆れた目で伍名を見遣る。この恋多き神は、口説き文句だけはいつ如何なる時も尽きないらしい。
だがしかし、伍名は伍名で人目を忍んでは睦み合う、若き神と巫女の話を山ほどに仕入れてあった。

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