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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第24章 稲依姫
とりわけ奥社の舞巫女達は率先して世話を焼いてくれて、来春からは正式な手続きを踏んで稽古に通うという。それは確かに……神依が潜在的に内包していたものが取り払われ、変わったからかもしれなかった。
 「……まあ、言ってそこまで何かが劇的に変わったわけでもないのだが。俺に取っても黄泉の旅路は全てが悪いことばかりではなかったし、俺自身も変わったと言われるが、自覚がある部分と無い部分があってよく分からないな。呑気と言われるかもしれないが──」
「違うよ──和合したんだ」
と、不意に子が親の気を引くように繋いだ手をぎゅ、と引かれ、日嗣は出しかけた言葉を止める。そちらを見れば、純な光を宿した一つの瞳が見つめ返してきた。
 「兄ちゃんと姉ちゃんの魂はきっと、上下左右正反対の勾玉みたいな形で、最初はいびつだったのが少しずつ磨かれて、やっとぴったりくっついたんだよ。それぞれ足りなかったもの、余ってたものを交えて、そうやって兄ちゃんの世界を姉ちゃんが知って、姉ちゃんの世界を兄ちゃんが包んで──天と地を横並びにして、やっと輪になれた。兄ちゃんと姉ちゃんは、二人で一つの新しい廻世(めぐりよ)を創ったんだ」
「新しい……世?」
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