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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第24章 稲依姫
「成程──乾坤坎離(けんこんかんり)、乾は天であり男でもあり、坤は地であり女でもある。更にそこに坎たる月と水、離たる日と火を掲げるならば、まさしく」
──それは、円たる和を以て形成された世界。
「……そうか……」
 輪はくるくると回って戻るもの。繋がって一つになるもの。始まりも終わりもなくて、区別できないもの。分かちがたいもの。分けられないもの──。
 それを玉造りの子と結びの神に語られるのならば、そうかもしれない。そういうのも、悪くない。
 「そうだな……惑う俺が見た黄泉の闇とその孤独は確かに俺を病ませたが……それでも俺の前に姿を見せた女達は皆、最後は清々(すがすが)と在ってきらきらしく見えた気がする。神依と出逢う前、片割れだけの自分では、そういうことは感じられなかっただろうからな」
「ふふ。それが貴方様の口から出ずるのならば──この国の行く末も、きっと明(さや)かにありましょう」
晴れやかに咲う若き神に、伍名も素直に頷く。
 「でもさ、兄ちゃんには姉ちゃんが、一番“きらきらしく”見えたんだろ?」
「──っな」
「ダメだよ、姉ちゃんにだってそういうのちゃんと言ってやらないと。今の、焼きもち焼くと思うなあ」
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