この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第24章 稲依姫

【3】

 「……」
木々の上を、撫でるようになめらかな風が抜ける。上から眺める水の森は色づくものとそうでないものが混じり、荒妙(あらたえ)のようにごわごわとして雑多に見えた。人の世と同じだ。
 そこにゆらりと一筋の煙が立ち、世界を半分に分かつ。同時に柑橘類を思わせる、どこか甘酸っぱさを帯びた匂いが空気に混じった。
 未だ修復の途中で、完成の見えない朱の楼閣。その上階に、癖のある仕草で見目には艶かしく、煙管をふかしながら人を待つ一柱の神の姿があった。
 月を眺めるに定位置となっているいつもの欄干、ただ強い日の光の下ではあの白銀の装いも透過せず、乳白色の尾長鳥が留まっているように見える。そしてその白き神は息をするのも億劫そうに、吸い口を唇に触れさせた。
 本来ならばとうに寝ている時間。それに加えて自由にならぬ無意な時間には苛立ちも募り、いよいよ憂さ晴らしに階下に何か投げ捨ててやろうかと思い始めた頃、耳慣れた衣擦れの音が聞こえてきた。待ち人が、ようやく訪れたらしい。
/1229ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ