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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第24章 稲依姫
「なんじゃこの煙たいのは──月読、お前またおかしなものを吸っておるな」
「ただの嗜みですよ……姉上」
途中立ち止まり、嫌そうに袖を振って顔をしかめる天照に、月読は一度長く紫煙を吐くと腰から提げていた胴乱に手を伸ばす。
目覚めを助ける特製の一服であったが、灰吹きに屑を落とせば、小さな姉はやっと傍らに歩み寄って抱き上げろと細い腕を伸ばしてきた。
天照はそのままぽすりと横抱きに月読の膝に据えられ、高くなった目線で階下の水の森を覗き込む。永き生とはいえ、滅多に訪れることもない場所。今まで興味を持つこともなかったその場所が、何故か少しだけ色付いて見える。けれどそれはもしかしたら、そこに在る者と直に触れ合ってしまったからかもしれなかった。
「……あと少し遅ければ微睡みにここから落ちて、そこで肉塊になっているところでした」
「お前がそんなにも大人しく死んでくれるような殊勝なタマか──それにわらわは朝から晩まで祭祀に政と、お前ほど暇ではないのじゃ!」
「ただの嗜みですよ……姉上」
途中立ち止まり、嫌そうに袖を振って顔をしかめる天照に、月読は一度長く紫煙を吐くと腰から提げていた胴乱に手を伸ばす。
目覚めを助ける特製の一服であったが、灰吹きに屑を落とせば、小さな姉はやっと傍らに歩み寄って抱き上げろと細い腕を伸ばしてきた。
天照はそのままぽすりと横抱きに月読の膝に据えられ、高くなった目線で階下の水の森を覗き込む。永き生とはいえ、滅多に訪れることもない場所。今まで興味を持つこともなかったその場所が、何故か少しだけ色付いて見える。けれどそれはもしかしたら、そこに在る者と直に触れ合ってしまったからかもしれなかった。
「……あと少し遅ければ微睡みにここから落ちて、そこで肉塊になっているところでした」
「お前がそんなにも大人しく死んでくれるような殊勝なタマか──それにわらわは朝から晩まで祭祀に政と、お前ほど暇ではないのじゃ!」

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