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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第24章 稲依姫
禊と童は厨の片隅に貼られた古びた火除けのお札を神依に示し、そういう畏れがあるからこそ、本来は丁寧に扱わなければならないものなのだと教えてくれた。便利であることと身近であることは違うと。
でもそれさえ守れば火は人に優しく、暗闇の怖さや冬の寒さを遠ざけて温かく包み込んでくれる。こうしてお米や野菜を柔く甘くしてくれるし、人を幸せにできる時間を生み出してくれる。
「あのね、日嗣様」
「ん?」
「なんていうか……、好きな人にご飯を食べさせてあげるのって、たったそれだけのことなのに、こんなに心がふわふわするんですね」
「……そういうことを今言うな。握り飯と椀で両手がふさがっていて、ぎゅってしてやれないだろう」
「えへへ……後で」
いつもの自分の口調を真似てご褒美をくれるという背の神に、猫が甘えるように寄りかかれば先程自分がしたように頬が寄せられる。そのままぐりぐりと髪をくすぐられて、ただでさえ浮わついていた心がもっと天に昇った。
(……日嗣様、あったかい。それに楽しいし、嬉しい。……こんなに嬉しくて……私、いいのかな)
そんな中で、ぽつりとそれを囁く自分もいる。
でもそれさえ守れば火は人に優しく、暗闇の怖さや冬の寒さを遠ざけて温かく包み込んでくれる。こうしてお米や野菜を柔く甘くしてくれるし、人を幸せにできる時間を生み出してくれる。
「あのね、日嗣様」
「ん?」
「なんていうか……、好きな人にご飯を食べさせてあげるのって、たったそれだけのことなのに、こんなに心がふわふわするんですね」
「……そういうことを今言うな。握り飯と椀で両手がふさがっていて、ぎゅってしてやれないだろう」
「えへへ……後で」
いつもの自分の口調を真似てご褒美をくれるという背の神に、猫が甘えるように寄りかかれば先程自分がしたように頬が寄せられる。そのままぐりぐりと髪をくすぐられて、ただでさえ浮わついていた心がもっと天に昇った。
(……日嗣様、あったかい。それに楽しいし、嬉しい。……こんなに嬉しくて……私、いいのかな)
そんな中で、ぽつりとそれを囁く自分もいる。

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