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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第5章 いざない
 だって──この世界から戻ったら、今度は全く同じ建物を全く違う風景の中で見ることになるのだから。
 それはきっと世の摂理を超越した行為。誰もが逃れ得ない、時という概念を飛び越えてしまうこと。それが自分に許されてしまっていいのかは分からなかったが……。
 そんな少女の前で二人は光のまま、人の姿になったり魂の形になったりして、たゆたいながら言葉を交わしては睦みあい……まるで遊んでいるようにも見えた。
 こんなことを言ったら、誰かに怒られるだろうか。とても幼い神様達。
 それでも──二人は今まで姿を現した神々と違っていることだけは分かった。
 彼らはそこで暮らし、やがて女神は子を孕んだ。

***

 そうして生まれた小さな光を、二人はとても慈しんでいた。
 片時も身から離さず、三つの光はいつもいつも一緒だった。
 『……』
少女の指先が、ふと胸元を撫でる。目をつむってその鼓動を感じれば、そこにはとても幸せな、温もりが宿っているような気がした。
『私……大事にされてたんだ。愛されていたんだ……』

(……でも……、……本当に……?)

『え?』
しかしその瞬間頭の中にそんな言葉が浮かんで、少女は自分でも驚いてぱっと顔を上げる。
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