この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第5章 いざない
 『…………』
少女にはもう、これを視ることに何の意味があるのか分からなかった。体が──その奥にあるものがきしきしと痛むような気がする。それはまるで、灼熱の風に焼かれた地が水を失い、渇き、細いヒビが入っていくような感触だった。
 ただ一つ分かったことは、それが男神の……寄り添うものを失った者の悲しみと心細さ……底知れぬ孤独感だったということ。
 しかし、死を理解できない幼さが故に──純粋で美し過ぎる、至高で狂気の愛情は剥き出しの刃と同じだった。
 少女には、男神の周りに何か黒い粘ついたものが見えた気がした。

***

 「愛しき我が妻、私とお前はまだ成すべきことを成していない。私達の国はまだできあがっておらぬだろう。だから共に、現世に帰ろう」
そうして男神は地の底深くにある黄泉国にて、御殿の閉ざされた扉越しに女神に語り掛けた。
 女神はそれに応えたが、すぐの帰還は叶わないという。女神は既に黄泉国の食べ物を口にしてしまい、黄泉国の住人となっていたのだ。
 それでも女神は男神が訪れてくれたことを喜び、共に元の世界に帰れるよう黄泉国の神に相談してみましょうと、扉の向こうから去っていった。
 ただし──絶対に中を覗いてはいけない、と言いつけて。
/298ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ