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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第5章 いざない
「ある場所で、名前を貰いました……。それで気付いたらここに……」
「いやいや、それ絶対はしょり過ぎだろ。まあでも、流れ着いたのがここで良かったな。俺達がいなかったら多分、淡島にゃ帰れなかったぞ」
「えっ」
そう言われて改めて周囲をぐるりと見渡せば、確かにそこに在るのは酔いそうな程に無限な空と海。島の姿も見えず、ただ蜜で充たされたように琥珀色に染まる雲海が広がるだけの……原初の淡島のような空間だった。
 「でもここは……雲海のどこかではあるんですよね?」
「おう」
問えば猿彦は、少女の視界に入る分の、交わり過ぎて見えない水平線を釣竿でなぞってくれる。
「ここは八衢(やちまた)っつって、俺の領界だ。簡単に言うと人が住んでる陸地が淡島で、それ以外の海と空が八衢。本来は全部ひっくるめて“道俣淡島”(ちまたあわしま)って言うんだ。
“ちまた”は別れ道って意味でな。だからここは高天原と豊葦原をもやう場所でもあるし、あらゆる時、あらゆる世界へ続く場所でもある」
「じゃあやっぱり、この世界は水の中にまで道があるんだ……」
「お前、それを素で言ってんならわりとスゴイぞ。なんせこの八衢の道を見分けられんのは俺一人だからな」
「ふふっ」
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