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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第6章 巫女として
 後から子龍に名を付けてあげようと思ったのだが、同じ龍の幼体ならそれももしかしたらそうなってしまうのだろうか。
 「でも……じゃあ、あの龍は……生きているんですか?」
「魂は留まっている。それを転じさせてやれば、神としての肉の器も新たに成されよう」
「……」
神依はあの日のことを思い出しながらちらりと腕の子龍を見る。
 あのとき日嗣と龍が話していたのは、きっとこのことだったのだろう。だけどそれなら……あの可哀想な龍も、満たされるような気がした。穢れに犯され貶められた矜持も、自分を襲った罪の意識も綺麗にそそいで洗い去って。
 「──まあ確かに、言われてみりゃ適任っちゃあ適任なんだよな。結局一番の当事者は神依だしな」
「猿彦さん」
「いいか、魂を神に据えるのは確かに孫だけど、その神の魂の質は巫女舞にかかってくる。
肉体が死んだ魂ってのは大抵うんと沈んでるかうんと荒ぶってるかのどっちかだけど、今回は間違いなく前者だ。だからこそ、当事者である神依がどんだけ心を寄せてやれるかで、神としての質は大分変わる」
「え……え? 神様の質って?」
二人の神を交互に見れば、日嗣がそれを受ける。
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