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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第6章 巫女として
たった一言でそれを押し通すと、調整のために洞主を残し他の者にはあっさりと退室を命じた。


【2】

 「結局……何だかよく分からないまま、決まっちゃいました……」
「そらしょーがねえ。お前はやっと、本当の意味で巫女になったばっかりだからな」
そうして猿彦を伴い仮宿に帰ってきた神依は、縁側で二人腰掛けながら今日の話をしていた。
 その後ろで緊張したように控える童と神依の間を行き来しては、不思議そうに童を見上げる子龍に猿彦は笑う。
「チビ、お前もこっち来いよ」
「め──滅相も、ございません」
「ふふ。私の童、とっても元気で物知りで、いい子なんです。勾玉を造るのが上手いんですよ」
深々と頭を下げる童に、神依もそう言い添えて手招きするが何故か眼差しでやめてくれと訴えられた。きっとまた格とかそういう話だろうと思い、仕方なく前に向き直る。
「でも……やっぱり日嗣様って、偉いんですね」
「いや、あれはあれで大変なんだぜ。でも──あそこまで言うのは相当本気ってことだ。きっとお前と子龍が一緒にいるのを見て、祭祀も上手くいくって思ったんだろうなあ」
「だけど私……迷惑がられてるのかと思ってました」
「心配すんな、孫のあの態度は昔からだ」
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