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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第6章 巫女として
「……孫はな、まだ色々が中途半端な神様なんだ。アイツは神様とか人間とか関係無く、この国元に生きる全ての者に必要な神様だからな。だから天津神と国津神、神様と人間……そういうのがごっちゃになって、上手く昇華できなくて、ついついああいうとんがった態度になるんだと思うぜ。まだ魂が成熟してない──ああ、平たく言やガキってことだ。ガキが良い姿見せようとして、背伸びしてんのと一緒だな」
「ふふっ、……そうなんですか?」
「生まれも生まれだし、見栄張らされるのはしょうがねえんだけどな。……でもそれで避けられるのは、ガキにはちっと酷だからな」
「……そっか。神様が神様らしくあるのも、結構大変なんですね」
その穏やかながらも遠慮の無い物言いに神依がほのかに笑えば、反面、猿彦はまたそれだけではないように複雑そうな笑みを唇で表すと先を続けた。
「孫は豊葦原に降りてる時もあったしな……、……だから俺達国津神とも関わりが深くて、だからこそ余計にそういう面倒臭いもん抱えちまうのかもしれねえけど」
「……」
「お前はお前の目で、孫を見出だしてやってほしい」
そう言いながらもほんの少し……何かを考えるように間を置いた猿彦に、神依はふとあることに思い至る。
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