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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第7章 兆し
 というのも、そもそも子龍に関しては本当に分からないことだらけで、奥社にいた頃から食べ物すら何をやっていいか分からず──しかし本人も食べる必要が無いのか数日は何事もなく過ごしていたのだが、三日目の深夜。
 禊が不審な物音に気付き目を覚ませば、神依の枕元で子龍が首飾りをばらして玉を食んでおり、それからは童が仕事先で得た屑石や鉄屑を持ち込んでは何を食べるか実験するようになっていた。
 とりあえず好きなものは、水霊だけあってか水色や透明な石。それから金や銀、鉄などをよく食べている。
 かと思えば時折嘔吐していて、しかしその時には童が驚くような美しい耀く石を生み出す。庭の池の中にも輝石が増えていて、それは多分排泄物から生み出されたものだろうと禊や童は思っていた。
 「体に負担はないのでしょうか……」
そして心配になった神依は、存在が近しい鼠軼に相談してみたのだが、
「石そのものを食べるというよりは、そこに染み込んだ霊性を得ているのかもしれぬな。儂らが巫女から酒や米を貰うのと同じじゃ、自ら採りにいくものではない。
しかし実を言えば、龍が何を食べているのかよう分かっておらん。水や霞だけで生きると言う者もおるし、生贄におなごを求めた大蛇もおった」
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