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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第7章 兆し
「俺分かった。家では女の人が元気な方がいいって鼠軼様が言ってたの、正しかったよな。神依様がにこにこして楽しそうにお喋りして、何でも美味そうに食べるから、今まで俺も美味かったんだ」
「……お前の方は大丈夫なのか」
「俺は別に平気、俺は何か言われても自分で言い返せるしやり返せるもん。だけど神依様はそういうたちの人じゃないだろ。だから──守ってやんなきゃ、ダメだったんだろ」
「……」
 そして童に言われるべくもなく、禊もせめて家では彼女が安らかに過ごせるようにと思ったのだが、それにも影響が出始めていた。
「──失礼致します、神依様。甘いものをお持ちしましたので、少し御休憩を」
「いらない。それより禊、何か楽器できない? 一度全部通して──」
「神依様」
「だからいいってば。童にあげて」
「──神依様」
どうしても退きそうにない禊に、神依は泣きそうな顔で精一杯眉を吊り上げ、震えた声で呟く。
「……少し痩せろって言われたの。だからいらない……」
「……一口二口召し上がったところで何もお変わりはありません。とにかく一度、お座りになって下さい」
「じゃあ出ていって」
「……」
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