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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第2章 神隠しの行く末
不思議な存在感に圧倒されすくんでいた少女は、その子供をあやすような優しい仕草と声の加減に、伏せていた瞼をおそるおそる持ち上げた。
 男は少女の右肩をじっと見つめていて、それから短く少女に問う。
「咬まれたな」
「は……はい。体が……口も、上手く動かなくて……、あ……熱い……です」
「……」
熱いと言いながらも寒気を感じているかのように身体を震わては頬を染め、何かを抑え込もうと自らの身を抱く少女。
 それでその身の内に何が起きているか察した男は、ややあって言葉を続けた。
「……もしも……」
「……え?」
「……もしも私が、お前を抱きたいと望んだらお前はどうする? もしもお前が私にその身を差し出してもいいと言うのならば、私がお前を助けてやるが」
「ひぅ……っ!?」
言葉と共に、男の手が少女の首筋から乳房の線をなぞる。それだけで露骨な反応を返す体に、少女は泣き出しそうな顔をして緩く頭を横に振った。
 しかし男は、絶対的な自信と強者が弱者を慈しむ尊大な優しさを含む笑みを滲ませ、なおも少女の髪をくすぐる。
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