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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第7章 兆し
 手提げを広げれば中に見慣れない紙の包みがあって、何だろうと開いてみれば中には可愛い絵柄の飴が入っていた。
(……禊)
 ご丁寧に、飴玉はそのどれもが色が違うし絵も違う。その変な几帳面さで、すぐに誰の仕業か分かった。
(甘いもの、いらないって言ったのに。私……あんな八つ当たりみたいなことしちゃったのに)
 どんな大きな悪意よりも、小さな慰めの方に涙が浮かぶのは何故だろう。
(本当にあまのじゃく……)
しかし神依は“可愛くない”女の子だったので、人前で泣くことだけはしなかった。目が痒かっただけ、と何事もないように一度袖で目元を拭い、瞳を空気に晒す。
(全部済むまで、泣かない)
めそめそすればきっと相手もそれを面白がって調子づく。それでまた涙を見せるような、弱い自分も嫌だった。
 否──それが逆に気にくわなかったのか……壁になってしまったのかもしれないが……。
 (でも……)
禊に連れられて見た祭祀の中の彼女達は本当に綺麗だった。舞を見るのは楽しかったし、空気を満たす楽の音も好きだった。
 だから一生懸命頑張れば、同じものを志せば、実力は敵わなくても、認めてくれる者が現れるかもしれない。儀式が成功すれば、違った関係を築けるかもしれない。
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