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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第2章 神隠しの行く末
男も少女の様子が変わったのを感じて更にその舌を絡めては、まるで砂糖菓子を崩すように唾液を交わす。
「……ん……っ、……ふ…ぁ」
呼吸の仕方が分からず男に訴えるようにわずかに腕に力を込めれば、ほんの少しの猶予を与えられ息継ぎを許される。
交わす視線は自身のものが一方的に熱っぽいだけだったが、耳や肌に伝わる吐息や水音は同じ。それが少女にはとてもくすぐったい。
そうして完全になすがままになった少女は、男に支えられその背を守られるように羽織ごと砂に寝かされた。
男は表情を動かさぬまま、少女に囁く。
「……お前が俺を求めたら、放っておくつもりだった」
「……え?」
「その膿み切った熱の発散と、肩の“朱印”だけは抑えてやる。それである程度は収まるはずだ」
「しゅ……いん?」
「ああ。……お前は余計なことを考えず、そのまま寝ていろ。守った操(みさお)までは奪わぬ」
「……」
何をされるのか分からないまま恐々と、それでも素直に頷いた少女を見て、男は障りにならぬよう腰元の剣を外し傍らに置く。
男の一挙手一投足が気になり目で追えば、その鞘も美しく金糸や銀糸が散りばめられ、地の青と相まって水の様を現していた。
「……ん……っ、……ふ…ぁ」
呼吸の仕方が分からず男に訴えるようにわずかに腕に力を込めれば、ほんの少しの猶予を与えられ息継ぎを許される。
交わす視線は自身のものが一方的に熱っぽいだけだったが、耳や肌に伝わる吐息や水音は同じ。それが少女にはとてもくすぐったい。
そうして完全になすがままになった少女は、男に支えられその背を守られるように羽織ごと砂に寝かされた。
男は表情を動かさぬまま、少女に囁く。
「……お前が俺を求めたら、放っておくつもりだった」
「……え?」
「その膿み切った熱の発散と、肩の“朱印”だけは抑えてやる。それである程度は収まるはずだ」
「しゅ……いん?」
「ああ。……お前は余計なことを考えず、そのまま寝ていろ。守った操(みさお)までは奪わぬ」
「……」
何をされるのか分からないまま恐々と、それでも素直に頷いた少女を見て、男は障りにならぬよう腰元の剣を外し傍らに置く。
男の一挙手一投足が気になり目で追えば、その鞘も美しく金糸や銀糸が散りばめられ、地の青と相まって水の様を現していた。