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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第8章 神として
 更には禊の手伝いをして働きに出て……きっとこれも、そんな大変な生活の中で自分の時間を割いて造ってくれたものに違いなかった。
「童──ありがとう。私、あなたが私の童で本当に良かった。今日のお守りにするね」
「うん──俺……俺も、いっぱい神依様のこと大事に思って造ったから。きっと上手くいく」
着飾って、綺麗になった主に童は少し照れながら頷いた。本当はもっと言いたいこともあったが、それ以上はやはり童として言葉にしてはいけないことだった。
 その後は、洞主と大兄が様子を見に来てくれた。無論それは神依を訪ねたものではなく、序列に沿って巫女達の元を回り、言葉を掛けていくものだったが──。
 そこで神依は禊が何度も洞主の元に通っていた話を聞き、祭祀が終わったら一番にお礼を言おうと決めた。
 (……禊に童、洞主様に大兄さん。猿彦さんは奥さんに願い、日嗣様は心から求めてくれた。人の姿ではない神様達も、想ってくれていた。ここまでやって来れたのは、見えなくても、みんなが力を貸してくれたから……)
この世界が、たとえそういう力が理として組み込まれている“道俣淡島”だとしても……それと自分が感じているものは、絶対に違う。もっと細やかで、いとおしいもの。
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