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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第8章 神として
 もし御霊祭が上手くいけば、認めて貰えるかもしれないと思っていたのに。友として接して貰える時が来るかもしれないと思っていたのに。
 でもそれも、やはり最初から違っていて──これからどうなるのだろう、と神依の目に涙が浮かぶ。
 これは巫女達の、日嗣や洞主達への訴えでもあっただろう。ならば洞主は、巫女達と自分どちらを庇うだろう。
 ……だがそんなことは考えるべくもなく、自分一人が頭を下げ罰を受けることが一番無難に事が済むような気がした。そうすれば、それこそただの経験不足な巫女が本番で失態を演じただけ、と洞主達も神々に申し開きできるだろう。そして日嗣もまた……自分の知らないところで、自分の知らない慈悲をきっと与えてくれるのだろう。
(……でも……)
それをしてしまえば、今までの何もかもが無意味なものになってしまう。
 いや──もうとっくに、無意味になっているのかもしれないけれど。
 (……なんて馬鹿だったんだろう)
神依は一人、ぽつんと佇みそれを思ってしまった。
(やっぱりみんなが言う通り、最初のうちに辞退しておけば良かった。そうすればこんなことにはならなかった。こんな思いすることなかった。全部、全部──無駄にすることはなかった)
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