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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第8章 神として
「私は……私は、そんな自分が一番嫌なの……。絶対に許しちゃいけない……それなのに……それなのに、私は……」
『……』
「私は今まで触れ合ってきた日嗣様を……嫌いにはなれない。……いつだって日嗣様は冷たくて、怖かったけど。きっとそれは、また自分が人を傷付けてしまうのが怖くて……遠ざけていただけ。だけどそうすればそうするほど、今度は日嗣様が傷付いていく。……そんな人を、私は嫌いにはなれない。私を信じて寄りかかってくれたひとりぼっちの人を、突き放すことなんてできない」
『……』
「ごめんなさい……、……ごめんなさい……っ」
神依はいつかと同じように、その額を水晶に付ける。
 それは謝罪だった。神依は誰かにそれを無性に謝りたくて……許して欲しくて、それをする。
 そして……自分の姿を借りた女神は、それに笑って……応えてくれた。
『……私もまだ、あの方を愛しているわ。だけどそれができるのも……私が薄情で浅ましく、慈悲深くて美しい……女であったから』
「女神様……っ」
『だからそれを……恐れないで。怖がらないで。……確かにあなたの大地はまだ未熟で、だけれどあの子もまた、固く青い穂のままなの。だからあなた達にはまだ、共に成長していく道がある』
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