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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第3章 世界の理
少年……童はそんな少女を見て、自信ありげに笑う。
「俺もずっと一ノ兄に付いてたから、なんとなく分かるんだ。多分姉ちゃんは、淡島の中でも一番大事な役割になると思う。
でも最初から話すとすごく長くなるから……今は難しいこと考えるより、一から十まで全部一ノ兄を頼るといい。難しいこと考えると、不安になるだろ?」
「でも……、禊は、怖くない? 嫌じゃないかな?」
「怒るとな。今度一緒にイタズラしてみる?」
「ん……でもお説教、長そうだね」
「うん、すっげえ長い。足ビリビリするぜー」
童は本当に悪戯をしでかしそうな勢いでにかっと歯を見せると、それからふと大人びた顔で少女を真っ正面から見据えた。
「でも一ノ兄は絶対、姉ちゃんを嫌いになったりしないよ。それが“禊”の役目だから──甘えろって洞主様が仰ったのは、多分そういうこと。あ……もちろん、俺でもいいけど」
「……ふふっ、ありがとう」
恥ずかしそうに付け足された最後の言葉に、少女は自然と笑んで応える。あの仏頂面と付き合えるのは、やはりこの子供がこういう素直さ……というより、飾らなさを持っているからなのだろう。性格はまるで正反対に見えるのに、二人には確かに絆があるようだった。
「俺もずっと一ノ兄に付いてたから、なんとなく分かるんだ。多分姉ちゃんは、淡島の中でも一番大事な役割になると思う。
でも最初から話すとすごく長くなるから……今は難しいこと考えるより、一から十まで全部一ノ兄を頼るといい。難しいこと考えると、不安になるだろ?」
「でも……、禊は、怖くない? 嫌じゃないかな?」
「怒るとな。今度一緒にイタズラしてみる?」
「ん……でもお説教、長そうだね」
「うん、すっげえ長い。足ビリビリするぜー」
童は本当に悪戯をしでかしそうな勢いでにかっと歯を見せると、それからふと大人びた顔で少女を真っ正面から見据えた。
「でも一ノ兄は絶対、姉ちゃんを嫌いになったりしないよ。それが“禊”の役目だから──甘えろって洞主様が仰ったのは、多分そういうこと。あ……もちろん、俺でもいいけど」
「……ふふっ、ありがとう」
恥ずかしそうに付け足された最後の言葉に、少女は自然と笑んで応える。あの仏頂面と付き合えるのは、やはりこの子供がこういう素直さ……というより、飾らなさを持っているからなのだろう。性格はまるで正反対に見えるのに、二人には確かに絆があるようだった。