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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第3章 世界の理
「あなたも大きくなったら禊になるの?」
「んー、どうだろ。まだ決めてない。童は禊も含めていろんな見習いするし、普段は俺もあちこち働きに行ってるから。さっきも猿彦様がお出でになるまで、全然別のことしてた」
「えっ……働くの? あなたが?」
少女は驚きのあまり声を上げる。自身の中での童は完全に幼子(おさなご)で、むしろ禊や──洞主のような位の高い者らの庇護の元、在るものだと思っていたのに。
働く、ってこんなに小さなうちから何をするんだろう。何か酷いことをされていないか、辛くないのかと悪い方に考えが行ってしまう。しかし当の本人は、それが当たり前のように平然としていた。
「まだ小さいのに……平気なの?」
「平気っていうか、そういうもん。でなきゃ俺はご飯食べられないんだ。だから畑や田んぼの仕事もするし、玉を磨いたり鉄を打ったり……いろいろ見習い!」
「そうなの……」
「うん。だから童ん中には、そのまま匠になる奴もいっぱいいる。俺だって、同じ年くらいの奴の中では一番玉造(たまつくり)が巧いんだぜ」
ほら、と衣から取り出して見せてくれた首飾りには、大小たくさんの色や種類の勾玉が連ねられていた。
「んー、どうだろ。まだ決めてない。童は禊も含めていろんな見習いするし、普段は俺もあちこち働きに行ってるから。さっきも猿彦様がお出でになるまで、全然別のことしてた」
「えっ……働くの? あなたが?」
少女は驚きのあまり声を上げる。自身の中での童は完全に幼子(おさなご)で、むしろ禊や──洞主のような位の高い者らの庇護の元、在るものだと思っていたのに。
働く、ってこんなに小さなうちから何をするんだろう。何か酷いことをされていないか、辛くないのかと悪い方に考えが行ってしまう。しかし当の本人は、それが当たり前のように平然としていた。
「まだ小さいのに……平気なの?」
「平気っていうか、そういうもん。でなきゃ俺はご飯食べられないんだ。だから畑や田んぼの仕事もするし、玉を磨いたり鉄を打ったり……いろいろ見習い!」
「そうなの……」
「うん。だから童ん中には、そのまま匠になる奴もいっぱいいる。俺だって、同じ年くらいの奴の中では一番玉造(たまつくり)が巧いんだぜ」
ほら、と衣から取り出して見せてくれた首飾りには、大小たくさんの色や種類の勾玉が連ねられていた。