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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第3章 世界の理
「わあ……すごい!! これ全部あなたが造ったの?」
「へへ。まだ練習で、大人には敵わないけど」
「ううん、どれもつやつやですごく綺麗! 勾玉っていろんな形があるんだね」
「うん。見た目だけじゃなくて音も悪くない。魂こめて造ってるから」
童は指先で石をなぞるように流し、ぶつけてみせる。幽かに空間に反響する、石と石が触れ合う澄んだ音。その音は、ただ物質と物質が触れるだけの音ではない気がする。
故か、少女の憂いもその音と共に静かに霧散した。その玉飾りを眺める童は本当に嬉しそうだったのだ。
「……日嗣様のも、そんな音がしてた」
そしてぽつりと呟けば、今度は童の方が驚いた声を上げる。
「待っ……そんなの畏れ多くて、逆に喜べないよ! ……あの方のものは、世に二つとない格別なものなんだ。それに俺程度じゃ、字(あざな)ですら声に出して呼べないよ……」
「あざな?」
「神様達が淡島で使う名前。猿彦様とか……その、姉ちゃんが呼んだのとか。だから洞主様も御令孫て呼んでただろ。あの方は高天原(たかまのはら)……神様達がお住まいになる天上の国で一番偉い、太陽の女神様のお孫様なんだ」
「えっ──」
「一ノ弟」
「へへ。まだ練習で、大人には敵わないけど」
「ううん、どれもつやつやですごく綺麗! 勾玉っていろんな形があるんだね」
「うん。見た目だけじゃなくて音も悪くない。魂こめて造ってるから」
童は指先で石をなぞるように流し、ぶつけてみせる。幽かに空間に反響する、石と石が触れ合う澄んだ音。その音は、ただ物質と物質が触れるだけの音ではない気がする。
故か、少女の憂いもその音と共に静かに霧散した。その玉飾りを眺める童は本当に嬉しそうだったのだ。
「……日嗣様のも、そんな音がしてた」
そしてぽつりと呟けば、今度は童の方が驚いた声を上げる。
「待っ……そんなの畏れ多くて、逆に喜べないよ! ……あの方のものは、世に二つとない格別なものなんだ。それに俺程度じゃ、字(あざな)ですら声に出して呼べないよ……」
「あざな?」
「神様達が淡島で使う名前。猿彦様とか……その、姉ちゃんが呼んだのとか。だから洞主様も御令孫て呼んでただろ。あの方は高天原(たかまのはら)……神様達がお住まいになる天上の国で一番偉い、太陽の女神様のお孫様なんだ」
「えっ──」
「一ノ弟」