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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第3章 世界の理
それで責められているような心持ちになってしまった少女は、今にも泣き出しそうな顔をして頭を横に振り禊に訴えた。
「違うの……本当に。私あの“まがつち”という蛇に咬まれてしまって。それを日嗣様が助けてくれたの。だから……言わないで。誰にも見せるなって言われたの。良くないものだからって……」
「……はい。確かにそれはみだりに人目に晒さない方がいい。いえ、言葉にすら出さない方が宜しいでしょう。洞主様を始め、これからの生活の中で心安いご友人などもできるかもしれません。それらにも決して明かさず、お忘れになるくらいの方が御身のためかと存じ上げます」
「……」
はからずも日嗣と同じ忠告を重ねる禊に、少女はうつむくように小さく頷く。その顔はまだ不安げで、禊は無理に衣を剥がさず淡々と語った。
「どうかお顔をお上げになって下さい。今はまだこちらにお出でになったばかりで信じられないかもしれませんが、私と童はもはや貴女の臣。今は洞主様の元お世話申し上げておりますが──おそらく数日後には、私と童が従うのは貴女を除けば高天原の神々のみとなりましょう。
貴女はそれほど私達に取って特別なお方。どうか安んじて御心をお許し頂きたい」
「ま……待って。ちょっと待って」
「違うの……本当に。私あの“まがつち”という蛇に咬まれてしまって。それを日嗣様が助けてくれたの。だから……言わないで。誰にも見せるなって言われたの。良くないものだからって……」
「……はい。確かにそれはみだりに人目に晒さない方がいい。いえ、言葉にすら出さない方が宜しいでしょう。洞主様を始め、これからの生活の中で心安いご友人などもできるかもしれません。それらにも決して明かさず、お忘れになるくらいの方が御身のためかと存じ上げます」
「……」
はからずも日嗣と同じ忠告を重ねる禊に、少女はうつむくように小さく頷く。その顔はまだ不安げで、禊は無理に衣を剥がさず淡々と語った。
「どうかお顔をお上げになって下さい。今はまだこちらにお出でになったばかりで信じられないかもしれませんが、私と童はもはや貴女の臣。今は洞主様の元お世話申し上げておりますが──おそらく数日後には、私と童が従うのは貴女を除けば高天原の神々のみとなりましょう。
貴女はそれほど私達に取って特別なお方。どうか安んじて御心をお許し頂きたい」
「ま……待って。ちょっと待って」