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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第3章 世界の理
それで少女は羽織を握りしめていた手を緩め──
「今はあなたを……信じる」
小さな動物が怯えるように緩く震えながら、ようやく……ゆっくりと、衿を割った。
「…………」
「……ん」
不思議な緊張感の中、少女は羞恥を抑え自ら衣を崩す。やはり少女には抵抗があるようだったが、禊は敢えて手を出さず、少女にそれをさせた。
本来、水蛭子が禊や童を疑うことは絶対に無い。全てを委ね頼るよう、本能がそう出来ている。それは無意識下にある、子供のように傲慢で残酷で、けれども至幸の精神的強者の感覚。
しかし早産とでも言うのか、転生の途上で禍津霊に襲われ無理矢理引き上げられた少女にはそれが無い。
そして無い以上は自らの手で信頼関係を築き上げていくしかないが、それにはまず、時間を掛けてでも少女に信用して貰わなければならなかった。
「……」
やがて、その信頼の芽としては過分な、まろやかな乳房と年頃の娘らしい曲線を描いた腰や腿が光の中に晒される。
そしてゆっくりと落とされる羽織に肩があらわになれば──そこには確かに、見慣れぬ二つの緋の紋様があった。
「……すげぇ。本当に初めて見る形の朱印だ」
「……」
「あ……あんまり見ないで。……やっぱり恥ずかしいから」
「今はあなたを……信じる」
小さな動物が怯えるように緩く震えながら、ようやく……ゆっくりと、衿を割った。
「…………」
「……ん」
不思議な緊張感の中、少女は羞恥を抑え自ら衣を崩す。やはり少女には抵抗があるようだったが、禊は敢えて手を出さず、少女にそれをさせた。
本来、水蛭子が禊や童を疑うことは絶対に無い。全てを委ね頼るよう、本能がそう出来ている。それは無意識下にある、子供のように傲慢で残酷で、けれども至幸の精神的強者の感覚。
しかし早産とでも言うのか、転生の途上で禍津霊に襲われ無理矢理引き上げられた少女にはそれが無い。
そして無い以上は自らの手で信頼関係を築き上げていくしかないが、それにはまず、時間を掛けてでも少女に信用して貰わなければならなかった。
「……」
やがて、その信頼の芽としては過分な、まろやかな乳房と年頃の娘らしい曲線を描いた腰や腿が光の中に晒される。
そしてゆっくりと落とされる羽織に肩があらわになれば──そこには確かに、見慣れぬ二つの緋の紋様があった。
「……すげぇ。本当に初めて見る形の朱印だ」
「……」
「あ……あんまり見ないで。……やっぱり恥ずかしいから」