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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第3章 世界の理
 身を乗り出して感動めいた声を上げる童に、反面、少女は頬を染めてうつむき両手で乳房と秘部を隠す。純粋な瞳ほどこういう時は辛い気がする。
「一ノ弟」
「んぐ」
禊はそんな弟分の襟首を掴み隣に正座させると、濡れるのも構わず自身もそれに倣い頭を垂れた。
「……ありがとうございました」
「え?」
「信じて下さって。──では改めて、御髪から清めさせて頂きますので。……よろしいですか?」
「……うん、……お願い。あと私も……ありがとう」
少女はようやく肩から力を抜き、それを感じた禊はやはりいえ、と短く答えると今度こそ自身の役目に取り掛かった。
 もう何人もの巫女に仕えてきた禊は、それがどのような状況で刻まれたか嫌というほど見知っている。そして……それが少女にはまだ伝えていない、巫女の他の役割に大きく関わってくることも。
(それでも……構わない)
 花の香りがする泡にまみれながら、少女は無邪気に手にその泡を集めて遊んでいる。
 肩に──朱印に触れれば一瞬びくりと身を竦めたが、すぐに力を抜いてまた遊び始めた。
「必ず……お守りしますので」
「ん……ありがとう。でも、もう平気」
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