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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第3章 世界の理
 あの男神は神として最上の血と魂を持ちながら、既に長い間その姿を表舞台に現さない。それが自分の巫女を……ともなれば、自慢してもしきれない。
 禊が黙しているため自身も何も語らず、主も何か勘違いしているようだが朱印自体は別に悪いものではない。だから自身の主がどれだけすごいか、仲間に語って誇りたかった。
 「──勾玉は結構ですが、あまり童を甘やかさないで下さい。ここは神世に近しい場所であり、水蛭子もまた神の血が混じる者が多いのです。ですから、童もみかけは子供ですが、人の世の時間に換算すれば貴女より遥かに年上です」
「……え? ええっ!?」
「そういう言い方すんなよー、時間の流れが違うだけで俺はまだ子供!」
多少よこしまな思いを気取られたのか、禊にたしなめられた童は必死で言い返し、また少女は目をしばたたかせながら禊を見上げる。
 「じゃあ……禊は、何歳になるの?」
「さあ──ですが禊になってからは百年か二百年ほどだったかと思います」
「え、あ……じゃあ、私もそうなるの?」
「はい」
「じゃあ……、……じゃあもう私、これから先、何を聞いてもきっと驚かないと思う……」
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