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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第3章 世界の理
 しかしその室内は建物の外観に反し、一風変わった様をしていた。
 壁には植物を模した絵紙が貼られ、床には毛足の長い赤い絨毯が敷かれ……更にその上には細かな彫刻が成された脚の長い机や椅子などの調度品が揃っており、そこだけあたかも異界を切り取って作られた部屋のようだった。
 しかしここに立ち入ることができるのは、今や洞主とその禊のみ。神々と巫女や覡、その僕(しもべ)達と──何かと板挟みになり易く、心労の多い洞主が唯一解放され、安らげる場所だった。
 そこへ自身の禊──大兄(おおえ)が来訪者を報せにやってきた。
「──失礼致します玉衣(たまい)様。大弟(おおと)が参りました」
「うむ。お通し」
洞主は短く告げると、ふうと息を吐き筆を止める。皆から洞主と呼ばれるようになって久しいが、大兄だけは未だに名を呼んでくれた。
 かつてはその美貌から、神々に玉でも衣でも何でも好きなものをくれてやろうと──そうまで求められて付けられた“らしい”名。
 ただ時が経つに連れ、禊の口からその名を聞くと……何とも虚しい想いにかられる時もある。
 ややあって、短い挨拶と共に──かつては自身の童であった青年が姿を見せた。この秘密の部屋の秘密を知る、最後の一人。
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